〜千里同風〜 Day 2 練習試合vs英&豪・ラクロスというスポーツの特性

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オーストラリア・イングランドと練習試合しました

結果はどちらも惨敗。試合運びはそんなに悪くなかったものの、決まるべきプレイが決まらなかったり、ミスが目立ってしまった2試合でした。オーストラリアには負けてしまったものの、「勝てる」という意識は全員にありましたがイングランドにはまだ何かが足りないというのが僕の感触です。今日はその何が足りないのかについて少し考えてみたいと思います。

ラクロスは「ポゼッション率 x 得点」がキーなスポーツ

今ホットな話題として、サッカー日本代表の3大会ぶりベスト16入りがあります。また、八村塁が率いるバスケットボール日本代表もオーストラリア相手に歴史的勝利を収めました。バスケとサッカーは日本の団体球技の代表格ですので、この二つの競技と比較しながら説明していきます。バスケットボールは点が沢山決まるスポーツは皆さんご存知だと思います。点を決めたら相手ポゼッションからスタートです。シンプルに考えるとバスケは、いかに自分のポゼッション時に点を決め切れるかの勝負となります。かたわらサッカーは1、2点を争うスポーツです。粘り強く90分+ロスタイム戦い続ける中、1点の重みが非常に大きいスポーツです。バスケはポゼッション率が均衡する中で得点の成功率で戦い、サッカーはディフェンス力でポゼッションを取り合い、限られたチャンスの中得点決められるかが勝負だと思います。ラクロスと上の2スポーツを比較する前に、バスケやサッカーにない2つのルールを紹介します。まずは「フェイスオフ」。ラクロスは試合開始と得点後フェイスオフから始まります。つまり決めても決められてもこの局面の勝負に勝たないかぎりはポゼッションから始められません。もう一つは「チェイス」。ラクロスはシュートの後、ボールがラインアウトした所に一番近い選手のいたチームからポゼッションがスタートします。つまり、ゴール前を固めるディフェンスからすると、必然的にオフェンスは外にいるのでシュートを外しても普通ボールはオフェンスから始まり、ポゼッションは続きます。ラクロスにおいて、オフェンスが圧倒的有利であるスポーツなのです。最後にこのサッカーとバスケをラクロスと比較します。ラクロスはバスケットボールほど点は決まりませんが、サッカーよりは点数が嵩みます。(こんなにシンプルに言い切ってしまうとコーチや他ポジションの選手たちに怒られてしまうかもしれませんが、)ラクロスは“フェイス”等でバスケよりポゼッション回数(オフェンス機会)を増やしやすく、そのオフェンス時には“チェイス”があることでサッカーより得点しやすいスポーツだと思います。つまり、最終的にもとめられるのはボール奪う能力と点を決めきる能力の二つです。

日本代表の目指す最低条件は6位圏内(ブルーディビション奪還)

ラクロスのW杯は、2部構成にわかれており、前回大会6位までのチームはブルーディビション(1部)のグループリーグから始まり、6位以下その他は均等にわかれた3チームグループ分けられ、それを1位通過したチームが決勝トーナメントに進み、6位圏内に入るないしはメダル獲得するチャンスを与えられます。前回大会はブルーディビションでスタートしたものの、6位決定戦にスコットランドに延長戦の末敗北し、その後イスラエルにも負けて8位となってしまいました。残念ながら、日本代表は本戦前の練習試合で現実を突きつけられましたが、この現実の原因にも気づくことができました。上で述べた話は僕が考える一つの原因でしかありませんが、リソースフルに考えれば、この練習試合のおかげで6位圏内に戻るために絶対勝たなければならない相手に勝つための「鍵」を見つけられることができたのです。

フェイスオフ諸君に一言

ラクロスはオフェンス機会を増やすこととそのオフェンス機会で決め切ることが最終的に重要と話しました。お気づきの読者もいると思いますが、その2つを兼ね揃えるフェイスオフではありませんか。フェイスオフの諸君は手元の勝率ばかり気にしてては勝利への貢献少ないです。一流のフェイスオフであれば、勝った後の確実なポゼッションまでできれば上出来。その更に上を目指したいのであれば、ポゼッション後の1オフェンスまでしっかりと見届けて得点やシュートで終わるように心がけましょう。これは14年大会出場した後に気づき、その年の慶應のリーグ戦に大きく貢献することができました。この意識で18年大会に向けて準備をしてきた所存です。日本代表に選んでいただいていながら、これをまだ完璧にこなせていると思ってませんが、成長幅や気づきが多いのがこのW杯期間。フェイスオフにまた新しい価値観がうみだせるよう、試行錯誤してきます。